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前回のメルマガで

 地震保険は、震災見舞金。

 再建築する保険金を受け取ることを
 目的とする制度にはなっていない。

と、お伝えしました。

 エーッ!知らなかった!?

なんて大家さんもいたかもしれません。

 そんなの当然じゃん!

なんて大家さんは、大家検定2級くらいはお持ちなのでしょうね。

さすがです!

さて、今回は、築古アパートの耐震性について考えてみます。

「私の築古アパート、耐震改修工事は必要でしょうか?」

結論を先に言うと、耐震診断をしないことには判断できません。

なぜなら、ケースバイケースだからです。

診断をしないと何もいえません。

例えば「私の体、弱ってきたのですが、心臓移植したほうが良いのでしょうか?」

なんて質問を唐突にするのと同じです。

診断しないとわかりません。

そこで、最初に気になるのは、耐震診断に掛かる費用ですね。

だいたい数万円程度です。

木造なら10万円を超えることはありません。

5万円前後見ておけばギョッとすることはないでしょう。

必要な資料は、設計図書です。

ない場合は、平面図があれば十分です。

診断者が平面図と現地を照合して調査します。

設計図書がない場合の注意点は、

少なくとも一部屋は空いている必要があることです

できれば、1階と2階の角部屋が見られると良いです。

外壁の四隅が構造上重要だからです。

続いて気になるのは

 耐震改修工事費用はいくらくらいなのか?

でしょうか。

これまた難しい問題です。

診断結果によりますし、

工法によっても変わります。

大震災クラスの地震でビクともしない強度にするのか?

それとも、半壊はしても倒壊しなければ、

圧死を避けられて、避難もできて、

倒壊によって道路をふさいだり、

迷惑を掛けたりしないですむので、それで良い、

といった程度の強度で良しとする考え方もあります。

後者の場合、つまり倒壊しなければOK!というのであれば、

22m2の木造2階建てアパートの工事費用で

おおよそ50万~250万円あたりでしょうか。

施工会社によって、

自社で開発したひとつの工法だけしかやらないところと、

複数の工法を取り入れて最適な工法を提案してくれるところがあります。

前者は工事費用が比較的安いです。

しかし、何社も問い合わせて比較検討する手間と知識が求められます。

多少費用がかさんでも良いのなら、

複数の工法を検討できる会社に相談すると良いでしょう。

次に心配になるのは、

 工事をするときに入居中のままではダメなのか?

ですね。

入居中のままでは耐震改修工事ができないという専門家もいます。

確かに、そうしたケースもあるでしょう。

しかし、今はさまざまな工法がありますので、

建物の外部から補強金具を取り付けるだけで

十分な効果を発揮できるものや、

内部の工事も半日程度で終わるものもあるので、

入居者に迷惑を掛ける時間を限定することができます。

最後に、あなたが気になるのは、

 耐震改修工事をした費用を回収できるのか?

ですよね。

(一番最初に気になるのかもしれません…)

この質問が一番難しいです。

そこで、判断材料を提供しますので、ご自分でご判断ください。

・周りの建物は倒壊していないのに、自分のアパートだけ倒壊すると、
 入居者や遺族から損害賠償されることがある。

・賃貸の人は耐震性をあまり気にしない傾向にあるが、
 今回の震災の影響で気にする人が増えてきている。
(木造よりRCマンションが良いとの声が増えている)

・耐震改修工事をしても見た目ではわかりづらいので、
 空室対策上の効果はあまり期待できない。

・耐震性うんぬんの前に築年数で入居希望者から敬遠される。

空室対策の戦略上で判断することになるかと思われます。

 古いアパートだけど、

 ・小奇麗にしている(カラーコーディネートされた内外装)
 ・設備を更新している(地デジ・ネット・エアコン・水廻りなど)
 ・耐震改修工事もしている

 で、しかも「家賃が安い」。

この戦略が取れるなら、稼働率が高まることで、

元は取れるのではないでしょうか。

一方、

 古いアパートだけど、

 ・小奇麗にしている(カラーコーディネートされた内外装)
 ・設備を更新している(地デジ・ネット・エアコン・水廻りなど)
 ・耐震改修工事もしている

 だけど、「家賃は安くはない」。

となってしまうと、

 同じくらいの家賃払うなら「RCのマンションにしよう」

となり、稼働率の向上は望めないのではないでしょうか。

※古くて汚くて建物の安全性も疑問があるけど激安の戦略もありますが、
 この場合は、耐震改修工事は「しない」と結論を出せますね。

いかがでしょうか。

価格競争力のある家賃設定の範囲内で、

建物に再投資できる予算を決めて、

その中で、耐震改修する工事費が、

捻出できるかどうか?

が、判断ポイントになりそうです。

最後に、余談ですが、

狭いワンルームの直方体のアパートは意外と丈夫です。

なぜなら、部屋が狭いので、それだけ柱や壁が多いからです。

一方、広いリビングがあったり、

直方体の建物ではなく不整形だったり、

上下階で建物の大きさが異なるものは、

耐震性能に劣る傾向にあります。

特に2階建ての木造建物は構造計算が義務付けられていないため、

建築士や施工会社の良識や経験値によりますので、

築年数が古くなくても危険性はあります。

いずれにしても、まずは耐震診断ですね!

診断料は5万円前後です。

この機会に問い合わせてみてはいかがでしょうか。


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