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税理士(公認会計士)は、税金を申告したり税務を監査したりするスペシャリストです。

しかし、賃貸経営のプロフェッショナルではありません。

彼らをプロフェッショナルと思い違いをすると、どのような問題になるのでしょうか?

それは、余計な税金を払うことになり、税引後の手取り収入が少なくなることです。

なぜなら、税理士は税務調査で修正を指摘されないように、安全側で申告するからです。

安全側とはどういうことか、リフォーム工事代を例に、説明します。

工事費が100万円だったとします。この金額を、固定資産として減価償却する申告方法もあります。また、工事の中身を吟味して修繕費や消耗品として全額経費とする申告方法もあります。

どちらも間違いではありません。ただ、後者の方法は、手間がかかること、後日、税務調査が入ったときに経費を否認される可能性があります。万が一、否認されると、税理士としては面倒なことになります。

そこで、税務調査が入っても面倒なことにならないように、税金を多く払う方向で申告します。つまり、固定資産として数十年(建物が木造なら22年、鉄筋コンクリート造なら47年)に分けて減価償却するように申告します。

うがった見方をすると、税理士は、

「どうせ、大家さんにはわからないだろう。説明するのも面倒だし。」

こう考えているのです。

そこで、大家さんのほうから申告方法を指示する必要があります。ちなみに、その指示の仕方が悪いと、彼らの機嫌を損ねます。丁寧にお願いしましょう。

ただし、「たとえ税務調査が入って否認されても責任は問わないと一筆いれますので、私のいうように申告してください」とまで言っても、節税になるように申告してくれない税理士なら、早くつきあいをやめたほうが身のためです。

ちなみに、彼らは将来の税務について試算やシミュレーションもやらない傾向にあります。

私は憤りを感じます。

賃貸経営は黒字倒産しやすい業種なので、将来のシミュレーションは必須なのに、彼らにその知識もなく、問題意識もないからです。

黒字倒産とは何でしょうか?

それは、確定申告や決算書は黒字なのに、経費を払う現金がなく事業が継続できなくなり倒産することです。

アパート経営の場合、例えば、収入も支出も変わらないとしても、年々、税金(所得税)が増えていくのです。これは、建物・設備の減価償却費と借入金の元金返済の性質によるものです。

減価償却費は、経費になるが現金支出はありません。この価償却費があるうちは、所得税の節税効果が大きなものです。また、当初は、借入金の返済に占める利息の割合が大きいのです。つまり、初年度ほど、経費に出来る金額が多いのです。

しかし、時間とともに減価償却費が減り、借入金の返済に占める利息の割合が減り、経費にならない元金返済の割合が増えます。

その結果、確定申告や決算書などの帳簿上は黒字になり所得税が増えます。

しかも、そのころには、空室や家賃下落で収入は減り、エアコンや給湯器の故障で支出は増えています。それにも関わらず税金は増える、そんな状況になります。

これは、新築時、いえ、その前の計画時点からわかるのです。Excelなどで試算してみればわかるのです。

こうしたカンタンな試算でわかることなのに、税理士から大家さんに黒字倒産の問題を指摘することもなく、もちろん回避・軽減するアドバイスもありません。

税理士だから、税金のことは先のことまでわかっているはず、なんて考えてはいけません。彼らは、過去のお金の出し入れを整理して、税金を計算することで頭がいっぱいなのです。


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